それは、今年の春ごろの話。
上の子の小学校で、図書ボランティアのサークルに参加しているバブルスですが、そのメンバーのYさんが、
「
みんなに聞いてほしいお話があるの」
と。
内容は…。
去年のクリスマス時期に、歌とお話でミニコンサートをしたのが、とても楽しく好評だったので、またやりたいね、と皆で話していたのですが、“今年、ぜひ、取り上げたい曲がある”とのことなんです。
それが、1984年に発売された
「Do They Know It's Christmas?」(BAND AID/イギリス)でした。
家にあるクリスマスのオムニバスCDに入っていたので、聴いた事はあるものの、最初は誰が歌っているのかもよく知らず…(^_^;)
超簡単に説明すると、これは、エチオピアの飢饉救済のため、イギリスとアイルランドの当時トップアーティストが大勢集まってチャリティーを行った曲であり、たぶん誰でも知っている
「We Are The World 」も、実はこの曲に触発されてできたものであるとか。
参加しているのも、U2のボノ、ボーイ・ジョージ、スティング、ジョージ・マイケル、デビッド・ボウイ、フィル・コリンズ、ポール・マッカートニー…と、まだまだ超一流のアーティストがズラリ。
でも、この曲を、クリスマスに、どうしても小学校で歌いたい…というYさんの熱意の源は、歌っているのが有名な歌手だからということではなく、
そこに込められたメッセージだったんですね。
今でこそ、チャリティーで、苦しんでいる世界の人々を助けたいという活動は一般的ですが、当時は
26年前!
参加する人を集めるのも、歌詞の内容についても、相当な困難があったことは想像できます。
じっさい、私も、はじめて歌詞と和訳を見た時は
ビックリしましたよ。
タイトルからして、「彼らは、今クリスマスだってこと、知っているのだろうか?」
「彼ら」とは、ここではエチオピアで飢饉に苦しむ人たちのことですね。
私は、たまたま、その頃、
トイレに貼っていた世界地図カレンダーを見て、「アフリカの国境線は、なんでこんなにまっすぐなのか?」という疑問から、アフリカがたどってきた歴史を知って、「
それって結局、先進国がやりたい放題乗っ取ったからじゃん」という結論に達したところだったんですね。
そして、その一番のリーダーが
イギリスな訳ですよ。
もちろん、雨が降らない事に関しては責任はないかもしれませんが、一部の政府関係者だけに富が集中し、ワイロや汚職が当たり前、一般市民が飢えていても、救済するシステムも整っていないし予算もない…。
それは、列強諸国が、「
ここ俺の土地♪」と陣取りをして、形ばかりの政府を置いたがために起きた事態ですよね。
自然の中に神様を見出し、自分たちの体と音楽で祈りをささげてきたアフリカの人々に、なんでわざわざ別の宗教から持ってきた「クリスマス」を知らしめなくてはいけないのか。
…とか、生意気にも思ったわけです。最初は。
しかしですね。
たまたま、作曲者やシンガーたちにとって、「一番幸せを感じる時」がクリスマスであるというだけで、本当に言いたいのは、
「自分が幸せなだけでいいのだろうか?」
「この瞬間に、苦しんでいる人がいることに目を向けてみてほしいんだ。」ということだ、と思ったんです。
クリスマスコンサート当日には、歌う前に、英語が堪能なTさんの歌詞の朗読と、Yさんによる対訳を、こどもたちに聞いてもらうことになっています。
その、Yさんオリジナルの対訳が、見事に、この曲の本質をあらわしていて。
>クリスマス、喜びの笑顔でいっぱいの私たちの世界
> 楽しくて… あたたかくて… 嬉しくて…
>
>そんな時 同じ時に あなたのすぐそばで そして遠い遠いどこかで
>悲しくて さびしくて 涙を流しているお友達がいるかもしれない
>
>今 ここにこうして みんなと一緒にいることは とても とても しあわせなこと
>
>手をさしのべて そしてつなごう
>○○小のみんなに 世界中のみんなに あたたかくて 素敵なクリスマスがおとずれますように
原文を直訳すると、もう少し固い感じの文章になるので、小学生にも伝わるようにと思い切ってアレンジされているのですが、このオリジナルの訳が、これ以上ないくらいにBANDAIDの精神を表現していると思います(*^_^*)
そしてみんなも色々なアイデアを持ち寄って、どんどんステキなものが出来上がっていき…。
明日は本番です。
子供たちに、いっぱい楽しんでもらって、そして少しだけ、まわりの友達と、世界の子供たちのことも、考えてくれたら、頑張った甲斐があるというものさ!
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