
子どもが小さい頃から何回か、
「ブックトーク」を聞かせていただいたことがあります。
ブックトークは、読み聞かせとは違って、本を紹介したり、興味を持ってもらうためのもの。
対象に合わせて、ぜひ読んでほしいと思う本、喜んでくれそうな本を何冊か選びます。
順番も考えて組み立て、ところどころ詳しく説明したり、聞く人とやり取りしながら、本を紹介していきます。
図書館の本棚や表紙を見ただけでは読まずに過ぎていったかもしれない絵本と、紹介者を通して出会える、ステキな機会ですよね。
そのブックトークを…なんと、このたび
私がやることに!!(◎o◎)
3月に、ブックトーク講座というのにお友達と参加して、実際に本の紹介にも挑戦したんですね。
幼稚園の先生に、たまたまその話をしたところ、入園前のお子さんとお母さんにぜひ…と!
自信は
まっったくないのですが、娘たちがお世話になった幼稚園、とっても親身になってくださった先生。
大好きな本の紹介でお役に立てるなら…と、引き受けさせていただきました。
テーマは、本来なら、「あめふり」「小さな冒険」といったように、共通のキーワードを決めることが多いです。
が、事前に先生とお話した時に、「何を読んであげたらいいのか分からない」というお母さんも最近多いんです…とのことだったので、ロングセラーの絵本から数冊選んで、「昔からある本はいいですよ」というお話をさせてもらうことにしました。
図書館ではあまりに本が多すぎてどれがいいのか分からない、本屋ではキャラクターや売れ筋絵本ばかりに子どもが飛びついてしまう、という人のために、昔からある絵本のよさが少しでも伝われば…と思って選びました。
最初に、
「
幼稚園にある絵本は、基本的に、ぜんぶいい絵本ですよ。汚いのもあるけど」
と言うと笑いが(先生すみません)。
でも、実際、私が図書館で借りていった本も、半分以上は園にもありましたしね。
この「ふしぎなナイフ」。
一人の女の子が、1ページ目からすごく喜んで気に入ってくれたのですが、先生いわく、
「普段はそこまで絵本に関心がないんですよ」と聞いてびっくり。
帰りには、ママと、この絵本を借りていかれました。
今日紹介していなかったら、しばらくは本棚で眠っていたかもしれません。
縁結びができたような気分でうれしいな(*^_^*)
リストをのせておきますね。
親子でのブックトークなので、最初と最後に1冊ずつ読んで聞いてもらう形にしました。
「かえるのあまがさ」(与田準一 作 那須良輔 絵 童心社)
この日は、お天気なら園庭で水遊びの予定でした。
次の「うさこちゃん」がちょうどお庭でビニールプール遊びをするので、最初に読もうと思ってたんだけど、あいにくの台風接近。ザーザー降りだったので、急遽こちらに変更しました。
「うさこちゃんのてんと」(ディック・ブルーナ 文/絵 松岡享子 訳 福音館書店)
小さい子って、狭いところに入って遊ぶの好きですよね。
安心するのか、探検気分なのか(*^_^*)
次のお話も、押入れの中が冒険の舞台になります。
「おしいれのぼうけん」(ふるたたるひ たばたせいいち 作 童心社)
お話に登場する子どもたちは、冒険を終えて日常に戻ってくるわけですが、同時に、読んでいる子どもも絵本の世界に入って旅をしてくるんですよね。もちろん読んであげる大人も。
「もりのなか」(マリー・ホール・エッツ 文/絵 まさきるりこ 訳 福音館書店)
同じく、本の中の世界を旅して戻ってくる、その感覚を味わってもらいたくて。
以前、翻訳家・児童文学研究者の清水眞砂子さんのお話を聞く機会があり、
「講義で、学生に時々絵本を読みます。読み終わったあと、女子大生たちが、いちばん長くこちらの世界へ戻ってこなかったのがこのお話。」
とおっしゃっていたのが印象的でした。
「おふろだいすき」(松岡享子 作 林明子 絵 福音館書店)
こちらも、次々に動物が登場して、お母さんが声をかけると消えてしまいます。
林明子さんの絵がほんわか温かく、お風呂の湯気やせっけんの匂いがしてきそう。
「とん ことり」(筒井頼子 作 林明子 絵 福音館書店)
「はじめてのおつかい」( 〃 )
林明子さんの絵で、他にも2冊紹介しました。
子どものやわらかいほっぺや手足…それは永遠に変わらなくて、出版から何十年経っても、見るたびにあたたかい気持になれるのではないかしら。
「ふしぎなナイフ」(中村牧江・林健造 作 福田隆義 絵 福音館書店 )
話はかわって(うまくつなげられるとよかったのですが、力不足で…)、
子どもが好きなものに、「
変身」がありますよね。
金属のナイフが、ありえない変身をします。
その発想と画力があってこその絵本ですが、子どもはさすが柔軟な心で、そのまま受け入れて楽しんでくれるんですね。
「タンタンのハンカチ」(いわむらかずお 作 偕成社)
タンタンの胸ポケットのハンカチが、ターバンやネクタイだけでなく、こんな大きなものにまで変身…?!
そして、また現実に戻ってくるんです。
最後に、同じくおサルさんが主役の絵本。
子どもたちにお母さんのおひざに戻ってもらい、一緒に読みました。
「ぎゅっ」(ジェズ・オールバラ 作・絵 徳間書店)
おサルの子、他の動物たちが、みんな「ぎゅっ」としているのを見ながら、真似して「ぎゅっ」といいますが、ひとりぼっちでだんだん寂しくなり、泣き出してしまいます。
そこへやってきたのはもちろんお母さん。
みんな一緒に、「ぎゅっ」としてもらって、ブックトークはおしまいとなりました。
昔、児童館でブックトークを聞いた時、あまりにもステキな紹介で、終わった後、
「
その本今買えますか?!」状態だった私(笑)。
それにくらべて、拙すぎて本当に申し訳ない限りで、太宰治風に言うと
冷や汗三斗でしたが…。
お付き合いいただいたお母さん&お子さん、お手伝いいただいた先生とスタッフのRちゃん、本当にありがとうございました。
しかも9月に1~2歳児クラスでまたやるという無謀な私…(^_^;)
精進します。
今週は、上の娘の中学校で、「スマホやネットを安全に楽しむために」という講演がありました。
その時、講師の方が
「10年ほど前は、電車でお出かけする時、お子さんに絵本を読んであげたと思いますが、今は、
スマホやタブレットで絵本読み上げアプリを使うんですよ」
と言うのを聞いて、参加してた私たちは唖然としました。
ほんと~?!
東京の企業から来た方なので、首都圏ではそうなのかな。
さすがにまだこの辺では見ないけど、東京で主流となったことは、いずれ地方にもやってくる可能性大だからなあ。
だけど、スマホアプリは、たとえ子どもがどこかのページにすごく反応しても、
「○○ちゃんはやっぱりぞうさんが好きなんだね」
とそのページを時間をかけてゆっくり見せてくれるわけでもないし、
この単語の意味がわかってなさそう…と気付いて、絵を指さして
「くるぶしっていうのはね、ここのことだよ」と教えてくれるわけでもない。
やっぱり、大好きな人に読んでもらう絵本は何にも代えられないと思います。
今週は、小学校の読み聞かせもあり、図書サークルのランチ会もあって、本と仲良しの一週間でした。
ランチ会は、燻製のおいしいお店で、湖を眺めながらの爽やかなひととき♪幸せ~(*^_^*)

「燻製チーズのオムライス」です。
台風の影響がまだまだ続きますが、皆さま、じゅうぶんお気をつけてくださいね。
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