
今年は、例年よりも早く梅雨に入った模様…と報じられたものの、ぜんぜん雨降らないですね(^_^;)
湿度も低くてさわやかで、まだ初夏の雰囲気。
ずっとこのままだと農作物が少し心配ですが、私はこの時期が一年で一番好きなのでうれしいです。
外では、毎日、ウグイスがきれいな声で鳴いてます。時々、小さな緑色の姿も見かけたりして。
名前は分からないんだけど、面白い鳴き声を聞かせてくれる小鳥がほかにもいろいろいます。

↑これは何だろ?
パパと子どもたちが山に散歩に行って見つけたそうです。
前にブログで書いた気もするけど、数年前、巣立ち途中のウグイスの雛が道路で動けなくなっていたことがあるんですね。
ダンナが見つけて、車に轢かれないよう道端まで移動させようとしたら、必死で羽ばたいて逃げた拍子に、側溝の蓋の隙間からミゾに落ちてしまったんです。
なんとか重いフタをこじ開けて助け出し、草むらに返しておいたのですが…。
その間じゅう、親のウグイスがまわりで飛びながら鳴き続けていて。
でも、すごくすごく心配して叫んでるんだろうけど、鳴き声は可愛くのどかな「
ホーホケキョ!」なんです(^_^;)
小鳥って、どんなに焦っても、怒ってたとしても、こんな可愛い声なんだな~と、逆になんだか気の毒だった覚えがあります。
(※ちなみに、野鳥はむやみに助けない方がいい、と去年子どもがスズメの雛を見つけた時に知りました。
そのときの記事はこれ。)
それで思い出すのが、去年読んだこの本。
環境問題といえば最初に挙げられるような本なので、知っている方も多いかと思います。
ここで報告されているのは、今から約50年前のアメリカの話。
今でこそ、「無農薬野菜」や「オーガニックコットン」などの値打ちが認められてきているけれど、1962年に書かれた当時は、害虫(っても人間にとってのね)を駆除するための殺虫剤や農薬を、これは便利!とばかりにジャンジャン使い始めた時代で、まだその悪影響が広く知られていなかったんですね。
材木につく虫を駆除するために、ヘリコプターで広大な森林に大量の殺虫剤を散布したら、小動物も小鳥も、それを食べる大型の動物もみんな死んでしまった。
春になっても、いつも可愛い声で楽しませてくれる小鳥はもういない…。
という、「沈黙の春」への警告が書かれています。
もちろん、中に出てくるデータは、すべて現実のことなのですが、だんだんと空恐ろしいSFホラーを読んでいるような、怖くてもうこれ以上見たくない!という気分になってきます。
むしろ、自分たちの住んでいる地球に実際に起こっていることだと思うと、下手な映画や小説よりずっと背筋が寒くなるかもしれません。
しかも、人間のエゴで生態系を破壊しただけでは終わらず、回り回って誰の首を絞めるかといえば、私たち自身とその子ども、またその子ども、またその子ども。
先日も、ベトナムで、若いのにどんどん年老いていく女性の特集をテレビで見ました。
「彼女は原因不明の難病で」と紹介されていましたが、私は、ベトナム戦争で撒かれた枯葉剤と無関係とは思えず…。
本の中では、農薬や化学薬品によって遺伝子が損傷を受け、子孫が残せなくなったり、どこかに障害や病気のある子どもが生まれたりということが、当時のアメリカや他国の動物・昆虫の実例をあげてはっきり書かれています。
同じ生き物なのに、人間だけが影響を受けないとは考えられない。
日本でも、子どもの40%(首都圏では4歳以下の子どもの51.5%)が何らかのアレルギーをもっていたり、小学校のクラスの6.5%(データによっては13%)の子が発達障害だといわれたり。
うちの下の子も、永久歯欠損(生まれつき、永久歯の礎が存在しない)が一本あるんですよ。最近どんどん増えているそうですが、一般に言われているように、あごの骨格の変化だけが本当に原因なのかな…と考えてしまいます。
身のまわりで起こっていることについて考えると、そのたびに、この本の訴えがよみがえるのは、基本的に、50年が経っても、構図は変わっていないからではないでしょうか。
効率よく目的を果たそうと目先の便利な方法に飛びつき、その結果起こる環境破壊を、あまりにも軽く見ている…という構図です。
筆者の、レイチェル・カーソン氏は、この本を出版して2年後に亡くなりましたが、もし、今の世界を見て、原発事故を知ったらなんと言うでしょうか。
そして、私たちに
今何ができるのかな、と考えました。
50年前と比べて、情報を得る手段と発信する手段だけは増えた(それとて時には危険が伴うけれど)のが、未来を守るひとつの明るい材料でしょうか。
それで、私も、自分にできることとして、この本を紹介してみました。
いまどき風に言うなら、
カクサン(拡散)してください、ってところかな?
けっこういろいろな学校で推薦図書になってはいるようですが、全部の高校の授業で、この本を読み、「レイチェル・カーソン氏への手紙」を書く、という課題を出してみるのもいいのじゃないでしょうか。
日本では、やっと、魚が住めなくなった川に魚や蛍が戻ったり、環境に配慮することが(建前でも)だんだんと当たり前になってきつつありますが、できれば世界中で、なかでも、今、発展の真っ最中で、農薬も化学物質も怖さを知らずにどんどん使っている国の人たちにぜひ読んでほしいと願います。
東北の震災が起こる直前、筆者のレイチェルさんを題材にした映画『レイチェル・カーソンの感性の森』も公開されたそう。機会があれば見たいです。
テーマ : 考えさせられる本
ジャンル : 本・雑誌
タグ : 沈黙の春レビュー