アベノミクス効果で、株価が上がって景気がよくなったようにいわれても、実際
パパのお給料は上がってないし家計には何の影響もない…。
という意見も多いです。
じっさいそのとおりで、うちも全然上がっとりませんわ(^_^;)
が、日本全体で見ると、景気のよくなってる人も一定数存在するんだろうな~、というのはなんとなく感じます。
今のお仕事、京都にあるお店の業務の一部分を引き受けているのですが、件数が日々増えてきてます。
今年(2013年)の1月から売り上げがうなぎのぼりで、今いる人数ではさばき切れなくなり、それで今回私も雇われたわけですが…。
私が入ってからも、この一ヶ月くらいで、1.5倍くらいに注文数が増えてきてます。
量がMAXの日は、当日中に終わるかどうか…という状態だったのですが、少し前に、やり方を変えたらぐーんと作業が早くなったんですね。
今まで人の目で見てより分けていた書類に、通しナンバーをつけて、それだけ見れば機械的に仕分けできるようになったのです。
少しずつ文面が違うものを間違えて仕分けしてしまわないようかなりの神経を使って、しかも限られた時間でやるのでスピードも必要、とあって大変だったのですが、この数秒間がなくなることで、「もう終わったの?」とみんなで驚くくらい、作業時間が短縮されました。
それはとてもよい「カイゼン」です。
が、それによって、人じゃないと見つけられないミス(文面が全体の内容と合っていない等)を見つける機会はなくなりました。
それに、たいていは定型の文章なのですが、たまに注文されたお客さんのオリジナルの文章があって、それがなかなか楽しかったのに、読んでる暇もなくなりましたしね。
お給料をもらってやってる以上、効率がよい方法でやるのは当然なのですが。
職場から近い商店街に、昔ながらの洋品店があります。
ママ友のあいだで、そこのおばちゃんは計算が苦手だという定評があり(笑)。
学生服の指定店なので、皆子どもをつれて採寸に行くのですが、何組かの親子で行った人たちが、最後の計算中に子どもたちがはしゃぎだしたら、だんだんおばちゃんの気が散ってきて、何回やっても計算が合わず
「
ちょっと静かにして!!」
と怒られたとか(笑)。
先日、上の子の制服を買いに行った時も、例えば、合計27395円だったとするじゃないですか。
小銭がたくさんあったので、30095円払ったんですね。
おつりを出そうとしたおばちゃんが
???となってくるのが分かって(笑)。
私も人のこと言えないけど(^_^;)おかしくてしょうがなかったのですが、そういうの、私、やっぱり好きなんですね。人間らしいというか。
途中で見かねたおじちゃんが「2700円や」って横から助け舟を出してくれて、それも微笑ましく。
今はスーパーのレジでも、お金を投入したら自動的におつりが出てきますから、計算ミスなんてほとんどない。
企業は、ミスが多発しては信用をなくすし、レジの人がしょっちゅう計算で「アレ?アレ?」となって行列ができたら苦情がきますよね。
ましてや病院や銀行などでは、面白さを求めるなんて問題外でしょう。
でも、大きな支障のないところでは、効率最優先にする必要ないよな~、って思います。
○○すれば効率がよくなるからと言われて、実行した結果捨てるものは、たいしたことのないように思えて、人の心には重要な部分だったり、たちまちはよくても、回りまわって自分たちの首を絞めるものだったりします。
方言だってそう。
(戦争のよしあしは別として)太平洋戦争の末期、暗号をすべて解読された日本軍は、一部のお年寄りしか話せない古い薩摩弁でそのまま会話して通信したところ、米軍はお手上げだったそうです。
野菜だってそう。
世界中でどこでも作られるトウモロコシは、遺伝子組み換えの種&それしか効かない農薬がセットで売りつけられますが、各地で昔から気候風土に合わせて作られているような地場野菜は、マーケットが小さいので、企業は巨額の開発費をかけて遺伝子組み換えをしようとは思わないわけです。
というようなことを考えていたら、TVで、先日、村上春樹氏の京都での講演と、ここ数年の映像が流れていました。
震災直後のカタルーニャ国際賞受賞のスピーチで、
「我々が一貫して求めていた平和で豊かな社会は、何によって損なわれ、歪められてしまったのでしょう?」
「理由は簡単です。「
効率」です」
と話していました。
これは、広島・長崎の経験から、核によって命が脅かされるのは二度とごめんだと思っていたはずの日本人が、なぜこんなに大量の原発建設を許してしまったのか、ということについての発言です。
これには賛否両論あるのですが…。
たしかに、「効率化」をやめるだけで原発の問題がすべて解決するか?というと、簡単ではないと思います。
でもいくつかの理由の中でも、もっとも大きいというのは、皆、異論はないのでは。
ところで、どうしても、
村上春樹さんの最新刊のタイトルが覚えられない…(^_^;)
“わたる”だっけ?“めぐる”だっけ?
果ては“キン肉
スグル”…って、それは春休みに通天閣で並んできたキン肉マンの本名だっつーの。
正しくは、“つくる”でしたね。
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